源流エコツアーを行いました

朱鞠内湖の周辺を知るツアー

今月初旬、朱鞠内湖を中心としたエコツアーを敢行いたしました。

ツアーは2つ、10月8日(土)と9日(日)の1泊2日バージョンと、10月9日(日)のみの日帰りバージョン。
どちらも一部を除き、ほぼ同じプログラムで行いました。

実際の現場を見て欲しい

過去に2回ほどほろプラ日誌でもご紹介している「★ブトカマベツ川氾濫原プロジェクト」。

8月~9月にはクラウドファンディング(幻の巨大魚イトウの棲む川の氾濫原を復元したい – クラウドファンディング READYFOR)に挑戦し、たくさんの応援をいただきました。

ごくごく短く説明すると「川をあるがままに氾濫させることで川やその周辺の生物が棲みやすい環境を保持する」という目的のプロジェクトです。(詳しい内容は、ぜひ★マークのプロジェクト紹介ページよりご確認ください)

今回のエコツアーは「実際にその現場を見ながら話を聞く機会を設け、朱鞠内周辺の自然の大切さを感じてもらいたい」という趣旨で企画されました。

過去のほろプラ日誌でのご紹介は、下記よりご参照ください。

1泊2日のツアーは、北大関係者、開発局、道の河川管理関係、河川の研究者、コンサル、雑誌編集者、釣りガイドなど主としてプロジェクトの内容に関わりのあるお仕事の方々が中心。
一方、日帰りのツアーは、主に地元の人が多く、4歳くらいから80歳くらいまでの老若男女が参加されました。

ツアー内容

朱鞠内湖わかさぎ漁見学

朱鞠内湖を代表する水産資源であるワカサギの漁を見学しました。
わかさぎを追いかけてきたイトウもたくさん網に入っており、見学者の方々は驚いていました。

ブトカマベツ川氾濫原見学

ブトカマベツ川の氾濫原であるまさにその場所で中村太志教授はじめとした北大の方々に、川と森の密接な関係や本来のあるべき姿について専門的な話をわかりやすく説明していただきました。

川の氾濫はコントロールできるものではなく、コントロールしたと思っていてもどこかに歪が生じるので自然の変化に合わせて柔軟に対応していくことが、大切であることを学びました。

そのような自然の変化に対応するべく、クラウドファンディングでサポートを募って集まった資金などでつくられた木橋の現場も見学。
工事を専門業者に発注せず、関係者で試行錯誤しながらつくったゆえの苦労話なども紹介されました。

北大演習林内展望台で北大演習林の見学

演習林の見学では、演習林内を流れる泥川という川の近くにある展望台に移動。

北大雨龍研究林の木は北海道においても平坦な地ではほとんど残っていない原生林が残されており大変貴重であること、同じ樹齢でも木の種類や場所によって木の直径が全く異なることなどを教えていただきました。

雨竜川でのラフティング(1泊2日ツアーのみ)

朱鞠内湖からつながる雨竜川をラフティングボートで下りながら、雨竜川にもイトウが生息できる貴重な環境があることなどを教わりました。

実際、川下りの途中にもイトウの泳ぐ姿も見ることができ、貴重な環境をリアルに感じることができました。

昼食(両ツアー共通)

昼食は、幌加内町新そば祭りで幌加内高校とコラボした際に初登場した筋エビせんべいをトッピングしたそばでした。

新そば祭りの時のものは筋エビのみでしたが、今回のツアーではワカサギ追加バージョンの特大せんべいをお楽しみいただきました。

「源流エコツアー」講演 (宿泊ツアーのみ)

宿泊のあるツアーでは、夕食前に北海道大学の中村太士教授による「気候が変わるなかでの川の管理と復元」というテーマの講演も行われました。

夕食 (宿泊ツアーのみ)

かねてから幌加内町では朱鞠内湖の水産資源やその他の町内の食材などを活用した料理の研究をしており、今回の1泊2日のツアーでは選りすぐりの試作品を提供しました。

アンケートも実施させていただきましたので、ぜひとも今後の研究に活かしていきたいと思っています。

ツアーを終えて

今回のツアーは朱鞠内湖の上流のブトカマベツ川、朱鞠内湖、下流の雨竜川を舞台に行われました。

北大・漁協・ガイドなど各フィールドにおいて深く関わっているスペシャリストたちが連携し、それぞれの活動を紹介しながら、普段はなかなか行くことのできないイトウや原生林が残る自然環境を見ていただきました。

「イトウ」は主に朱鞠内湖に棲息していますが、上流や下流、それらをとりまく森林環境も大事であり、全部が繋がっています。
この貴重な自然環境を将来のためにどうしていくか、今回のツアーで川や森に関して興味を持ったり、考えるきっかけとなればと思います。

今後もこのようなツアーを企画し、より多くの方々に知っていただく機会を作っていきたいと思います。